高血圧の基礎知識

高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態であり、虚血性心疾患、 脳卒中、腎不全などの発症原因ともなる危険な病です。高血圧は生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症、糖尿病との合併は「死の四重奏」、「メタボリックシンドローム」と呼ばれています。

高血圧の基礎知識(詳細)

高血圧は自覚症状はほとんどないのが特徴であり、定期健診などで早いうちに発見し、精密検査を受けることが重要です。けして放置せず、医師による治療や食事をはじめとする生活習慣の改善が求められます。

血圧は1日の中でも変動し、計測する時間帯には正常値であってもその他のほとんどの時間帯には高血圧となっている場合がありますが、このようなケースは仮面高血圧と呼ばれています。また降圧剤を服用した場合、その効果が切れている時間帯では安全な数値域からはずれている場合もあり、注意が必要となります。

これとは逆に、普段は正常血圧にもかかわらず診察室で測定すると血圧が上昇してしまい、結果高血圧と診断されてしまう場合もありますが、このようなケースは白衣高血圧と呼ばれています。

運動や精神的な興奮などで一時的に血圧が上がる場合がありますが、これはあくまで生理的な反応であり、高血圧の診断基準は数回の測定の平均値が対象となります。

日本は高血圧の人が多く、現在約700万人もの人が治療を受けているとされています。ただし糖尿病などと同じく高血圧そのものは自覚症状がありませんから、そのまま放置されている場合も多く、厚生労働省もその危険性をうったえています。

血圧とは血液が血管の中を通る際に、血管にかかる圧力のことをいいます。

心臓は、ポンプのように毎分60〜70回くらい血液を血管へと押し出していますが、心臓が収縮して血液を押し出した瞬間は、血管にいちばん強く圧力がかかり、これが収縮期血圧(最高血圧)となります。そして収縮した後に心臓がひろがる(拡張する)ときには、圧力がいちばん低くなりますが、これが拡張期血圧(最低血圧)となります。収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが高くても、高血圧となります。

高血圧イメージ

血圧は、心臓が送り出す血液の量(心拍出量)と、それを流す血管の通りづらさ(末梢血管の抵抗)とで決まってきます。

日本高血圧学会では高血圧の基準を以下のように定めています。

分類 収縮期血圧(mmHg) 拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 <120 かつ <80
正常血圧 <130 かつ <85
正常高値血圧 130〜139 または 85〜89
軽症高血圧 140〜159 または 90〜99
中等症高血圧 160〜179 または 100〜109
重症高血圧 ≧180 または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 かつ <90

以上のように収縮期血圧が140以上または拡張期血圧が90以上に保たれた状態が高血圧であるとされます。しかし近年の研究において、血圧は高いほど合併症のリスクが高まるために、収縮期血圧で120未満が人体の血管にとって負担が少ない血圧数値と考えられています。

厚生労働省は高血圧の改善をめざすよう提唱していますが、その目標値は平均最大血圧約4.2mmHgの低下 としています。

2000年の第5次循環器疾患基礎調査によれば、日本人では30歳以上の人のうち男性は約51.7%、女性は39.7%が高血圧 (140/90mmHg以上)となっています。収縮期血圧の平均値がいちばん高かったのは、1960年代前半で、この時期をピークに、男女ともに血圧は下がってきています。

その理由の一つに、高血圧性の病気で治療を受ける人が増えていることが上げられています。厚生労働省の患者調査によると、1955年には、高血圧性の病気で治療を受けている人は人口10万に対して61人でしたが、1975年には475人と急上昇し、2002年でも477人となっています。

また、2000年にわが国で行われた第5次循環器疾患基礎調査報告によると、医師から高血圧といわれた人のうち、降圧薬を続けて飲んでいる人は、68.4%となっています。

厚生労働省の「健康日本21」における試算によれば、国民の血圧が平均2mmHg下がれば、脳卒中による死亡者は約1万人減り、新たに日常生活活動が低下する人の発生も3,500人減ると見込んでいます。また、循環器疾患全体では2万人の死亡が防げるとしています。

また、今、医療費が高くなっていることが大きな社会問題にもなっていますが、65歳以上の高齢者では、医療費のいちばん多くの32.6%を占めており、内訳は高血圧とその結果である病気(高血圧・虚血性心疾患・脳血管疾患等)の治療費となっています。

日本では、今後ますます高齢者の人口中に占める割合は増えていくと予想されていますが、高齢者の医療費を減らすことは大きな課題となっています。

そのためにも、高血圧を定期健診などで早く見つけると同時に、若いうちから日常生活で高血圧にならないようにすること、つまり一次予防の重要性を厚生労働省は提唱しています。


Copyright 高血圧食事のすべてがわかる All rights reserved.

privacy